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ご参考にされて下さいね
ホームページをご覧の皆様、はじめまして。
山口県岩国市で小規模デイサービスを運営している藤本です。
7年間の現場の経験を経て15年前に独立して以来、足掛け20年以上にわたり介護の世界に携わってきました。
独立前は訪問入浴・グループホーム・介護老人保健施設・大規模デイサービス・訪問介護・介護派遣会社と転々とし、独立後は小規模デイサービスを運営しています。
このコンテンツでは、介護の仕事を探すのに入所施設にしようかデイサービスにしようかなんて迷っている方のために、デイサービスの仕事内容を中心に書きました。
コンテンツの内容によっては、介護サービスを探すのに訪問介護にしようかデイサービスにしようか迷っているご家族のためにもお役に立てるかもしれません。
どうぞ最後までお付き合いくださいね!
■デイサービスは関係障害を防ぐ切り札!
病気や障害で心身が不自由になると、気持ちが落ち込んだり、意欲が低下して、
場合によっては家族との関係が上手くいかなくなり、普通の社会生活から隔絶してしまいます。
そしてそこでは、外出せずに布団の中に入ったままという「閉じこもり症候群」がおきます。
「
閉じこもり症候群」になり、社会との関係や具体的な人間関係が切れるという
関係障害によって、寝たきりや認知症を作り出してしまいます。
介護保険で提供できる在宅介護には通所介護(デイサービス)のほかに、訪問介護(ホームヘルプ)や短期入所(ショートステイ)があります。
これらは在宅介護を支える3本柱ともいわれますが、「
閉じこもり症候群」からの
関係障害を防ぐことのできるのは通所介護(デイサービス)しかありません。
認知症や障害があっても尊厳が守られた生き方をするには、「
私は価値のある人間だ」
と思えることが大切です。そのために必要なのは、家から外に出て、社会との関係や人間関係を取り戻すことです。
■家から出ることの意味
自宅にいて動いているといっても大した運動量ではありません。日課として外出しなければいけないような状況になれば、
心は緊張し筋肉も張ります。心身ともに外出の為に切り替えなければなりません。そしてこの繰り返しの刺激が心身の力を維持させる原動力となります。
デイサービスに通えば
適度な疲れも得られますし、そうすれば家に帰っても
よく眠れます。
1日のデイサービスなら家族もよく休めますから、
気持ちを新たに高齢者に接することが出来るという良い循環を作ることが出来ます。
■重度の人こそ訪問介護よりデイサービスへ!
老いや障害で要介護になるといっても、要介護度には1〜5まで、さらにはもっと軽い要支援1や2もあります。
一般的には要支援から要介護2くらいまでの比較的要介護度の軽い方はデイサービスに通い、要介護4・5の方は訪問介護を利用する傾向が多いようです。
要介護3はそのどちらも利用するといった感じでしょうか。
私自身はデイサービスを15年やっていますが、要介護3〜5の方が訪問介護だけを利用し、デイサービスを利用しないのは非常にもったいないなあ…と思うのです。
要介護3〜5の方がデイサービスを利用しない理由で考えられるのは、「こんな手のかかる人を預けるのは申し訳ない」「こんな姿を大勢の人に見られるのは嫌だ」
といったところになるのでしょう。
さらにサービスを提供する側の考えでいうと、「要介護4〜5の人なんてどう介護したらよいか分からない」「ほかの元気な人と合わないだろうから…」
と考えている施設もあるかもしれません。
色々な意見はあると思うのですが、やはりもったいないですね。
最初にあげましたように、閉じこもり症候群から関係障害になり、寝たきりや認知症になりやすいのは要介護3〜5の方です。
認知症や障害があっても尊厳が守られた生き方をするには、「私は価値のある人間だ」
と思えるために、家から外に出て、社会との関係や人間関係を取り戻す必要があります。
デイサービスに出かければ、様々な病気や障害を抱えた方と出会います。直接話すことがなくても、目の当たりにします。
自分と同じ障害を抱えている方に共感し、自分より重たい障害を持っている方を見て勇気づけられます。
デイサービスで今ある能力を使い、足りないところをサポートしてもらいながらお風呂に入ったり、
無理のない家事や炊事のお手伝いをして人の役に立つことで「
私は価値のある人間だ」と自信を取り戻すことができます。
「
もう生きていてもしょうがない」と思っていた人がデイサービスに来て自分でお風呂に入り、人の役に立つことで「
小さな幸せ」に気づき自信を取り戻します。
これは自宅でのサービスである訪問介護ではなかなか出来ることではありません。
要支援や要介護1.2の方だけでなく、
自分の力で社会とつながりを持つことが難しい要介護3〜5の方こそ、関係障害を防ぐためにデイサービスに来るべきなのです。

それぞれの施設で細かい内容に違いはあると思いますが、デイサービスで行われる代表的な仕事の内容になります。
排泄介助 |
トイレへの誘導やオムツ交換が主な仕事。おむつ外しに取り組むところもある。 |
食事介助 |
1対1の食事介助が普通だが、大規模施設では一人で複数の人を介助して危険なこともある。食事を手作りしたり、外食をしたりするところもある。 |
入浴介助 |
小規模デイサービスでは家庭用の浴槽を使ったプライバシーに配慮された1対1の個浴が普通。介護技術をしっかり勉強しているところは要介護3〜5の方でも個浴で可能。 大規模デイサービスでは、プールのような大浴場や寝たまま入る機械浴などがある。 |
送迎 |
ドライバーを雇っているところもあるが、小規模なデイサービスでは介護職員がやることも多い。 |
外出支援 |
10年以上前、県や市の担当者によっては「デイサービスの場所から外に出てはだめ!」と刑務所のようなことを言われていた。現在はほとんどの県や市で可能。ただし、通所介護計画に位置づけた上で効果があることを前提としている。日常のお散歩やちょっとした買い物、季節のお花を見物に出かけたりと、事業所によって様々な支援の形がある。 |
レクリエーション |
人前に出てしゃべらなければならないため、多くの介護職が苦手としている。脳トレなどの頭脳系から、口腔体操や風船バレーなどの定番のレクリエーションに加えて、その施設独自のレクリエーションも多い。 家事や炊事のお手伝いも、大きな意味ではレクリエーションととらえても良い。 |
イベント |
毎月やるところもあれば、季節ごとにやるところもある。規模や内容によっては、当日もそうだが、準備等も大変である。たまにある非日常的な空間や時間はお年寄りにとって楽しみとなっていることも多い。 |
見守り |
立ち上がりや歩行に介助が必要なお年寄りが立ち上がろうとして支援が必要なときに、立ち上がり介助や歩行介助に入るために見守る。 間違えやすいのが、立ち上がりや歩行に介助が必要なお年寄りを"立たせないため"や"歩行させないため"の見張りではないということ。 なので、決してすべてのお年寄りを見守る必要はない。 |
記録&会議 |
その日ご利用になった方の様子を記録に残し話し合う。 1日を振り返り、次回のご利用時に活かすためにとても大切。 |
生活相談 |
お年寄りやご家族の生活の相談に乗る。主には生活相談員という職種の人が担当する。楽な介助の方法を一緒に考えたり、介護者やお年寄りの愚痴を聞くこともある。 |
掃除&洗濯 |
男性介護職の苦手とするところ。ボランティアやシルバーセンターにお願いするところもある。 |
健康チェック |
看護師がいれば看護師が、そうでなければ介護職が行う。血圧計と体温計で測るのが普通。そういった数字だけでなく、数字以外のいつもと違う些細な表情や言動の変化に気づくことも大切。 |

それぞれの施設で若干の違いはあると思いますが、「デイサービス風の便り」の1日の流れをご紹介いたします。
デイサービス風の便りの一例(サービス提供時間が9:30〜16:30)
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8:30 〜 9:30 |
3台の送迎車に分かれて利用者の送迎。 一斉にではなく、順番に施設に到着。 |
9:30 〜 12:00 |
到着した順に、お茶やコーヒー、紅茶など好みの飲み物で一服をし健康チェック。 入浴介助や外出支援やレクリエーション等の個別の活動を個別にもしくは皆で行う。 個々のタイミングに合わせて排泄介助を行う。 昼食前は誤嚥防止の為の口腔体操。 |
12:00 〜 13:00 |
食事介助を行う。 すぐに食べ終わる人からゆっくり1時間かけて食べる人までさまざま。 個々のタイミングに合わせて排泄介助を行う。 |
13:00 〜 15:30 |
食後は横になって休息を取って頂いたり、入浴介助や個別活動・レクリエーションetcを行う。 個々のタイミングに合わせて排泄介助を行う。 |
15:30 〜 16:30 |
おやつを食べ、定番のトランプをする。帰宅前の排泄介助をすませ帰宅の準備をする。 |
16:30 〜 17:45 |
3台の送迎車に分かれて利用者の送迎を行う。 残ったスタッフは掃除をする。 帰所したスタッフと共に記録を書く。 |

職種 |
必要な資格や能力 |
管理者 |
施設の全てを管理する重要な役職。法律上では資格は不要。 介護に対する知識や技術や経験に加えて、事業に対する深い理解が必要となる。
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生活相談員 |
基本的には社会福祉士や精神保健福祉士、もしくは社会福祉主事任用資格が必要となる。自治体によってはケアマネージャーや介護福祉士などの資格を取得した人でも可能とされているところがある。 関係者との間の連絡調整に必要不可欠であり、介護に対する知識や技術や経験に加えて、介護保険制度に対する理解も必要となる。
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看護職員 |
看護士あるいは准看護師の国家資格が必要。 介護職の安心の為に、医学的な知識はもちろんであるが、管理主義に陥らないように介護に対する深い理解が必要となる。多くの介護職と働くので、協調性があり、困ったときに威張らない人はお年寄りからも介護職からも喜ばれる。
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介護職員 |
無資格でも勤務できるが、最低限の介護の用語を理解するために介護職員初任者研修だけでも取っておいてから働く方が良いと思われる。介護福祉士を持っていればなお良い。 想像力と創造力という二つのソウゾウリョク、柔軟な思考力があるとお年寄りの世界が広がる。 閉じこもりがちなお年寄りに対しては「散歩に行きましょう」と声を掛ける「主体性を持った杖」に、危ないと思えばすっと手を出す「行動する杖」になることも出来るといったのは、ベストセラー『完全図解・新しい介護』の著者の三好春樹さん。
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機能訓練指導員 |
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護士・柔道整復士・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師のいずれかの国家資格が必要。 デイサービスで機能訓練を担当するが、何よりも「機能訓練の先にあるお年寄りの生活」に対する深い理解が必要となる。
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デイサービスは一般に「通所介護」と呼ばれ、介護保険のサービスの一つです。
また、デイケアは一般に「通所リハビリテーション」と呼ばれ、これも介護保険サービスの一つです。
以下にその違いを載せておきますので参考にされて下さい。
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デイサービス (通所介護) |
デイケア (通所リハビリテーション) |
目的 |
【社会交流】
関係障害を防止するために、病気や障害で心身に不自由を抱えた方が安心して外出できる場として送迎のサービスなどがあります。
【心身機能の維持向上】
生活機能や口腔機能の訓練だけでなく心身の健康維持・向上を目的とした健康管理も行なっています。
【生活リズムをつくる】
朝起きて出かける場があることで生活のリズムが安定し、様々な活動を通して疲れて帰ってくることで夜もよく眠れるようになります。
【人生を楽しむ】
四季折々の室内外でのさまざまなレクリエーションや行事、個別の活動などを通して、認知症や障害があっても、今ある能力や症状に応じて人生を楽しむことが出来ます。
【清潔保持】
認知症や障害、もしくは介護力不足で自宅でお風呂に入れない方の清潔保持のために、デイサービス利用中に介護のプロによる入浴サービスがあります。
【介護負担の軽減】
介護に携わる家族の、肉体的・精神的な介護の負担を軽減するために、日中にデイサービスを利用することで介護から解放される時間をつくります。
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【身体機能の維持回復】
加齢や病気、怪我等で低下した身体機能の維持・回復・向上を目指し、理学療法士や看護師等の専門職による個別のリハビリを行ないます。
【生活機能の維持向上】
身体機能の低下により生じた日常生活の不自由を改善し元通りの生活を目指すために、作業療法士や看護師等がリハビリを行います。
【コミュニケーション能力向上】
加齢や病気で認知症や言語障害などになったときに、コミュニケーション能力の向上を目指し、言語聴覚士を中心に個別かつ専門的なリハビリを行ないます。
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スタッフ |
【利用定員が10人以上】
管理者:1名(常勤)
生活相談員
看護職員
介護職員
機能訓練指導員
※機能訓練指導員の条件は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員(准看護師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の6つの職種のいずれかの職種になります。
※定員10名以下は看護職員は不要です。
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【定員に関わらず】
医師:1人(常勤)
理学療法士、作業療法士、言語療法士もしくは看護師か准看護師のいずれか1名以上
介護職員、看護職員:1名以上
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料金 |
※1参照 |
※1参照 |
【※1 利用料金について】
利用料金は、ご利用者のお住まいの地域・要介護度・サービス提供時間・各事業所の取得している加算の種類により変わります。
また、事業所の種類(地域密着型、通常規模型、大規模型)など、利用定員の数でも料金が変わります
その他、食事代や入浴の有り無し、各事業所に個別の費用によっても変わりますので、各事業所にお問合せ頂くのが良いと思います。
【
※2 機能訓練・リハビリの違いについて】
デイサービスもデイケアも【機能訓練・リハビリ】を提供しますが、その違いは以下のようになります。
デイサービス=機能訓練指導員が直接機能訓練を行なうだけでなく、介護職員が機能訓練を行うこともあります。
デイケア=医師の指示のもとで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職種が「身体機能の維持・回復」を目指して利用者に直接リハビリを行います。
より専門的な訓練をお望みであればデイケアをお勧めします。
しかし、
高齢になると専門的なリハビリは苦痛を伴うことがありますので、
生活行為そのものをリハビリとして行う生活リハビリを行っていることの多い
デイサービスが選ばれることも多くあります。
近頃は「機能訓練」を重視するデイサービスも増えました。そのため、デイケアとの違いが一段とわかりにくくなっています。
デイサービスは「介護負担の軽減」という理由で利用する人が多く、デイケアは脳卒中などの病気で入院し、退院してからの回復のためにリハビリ目的で利用する人が多いです。
退院直後は不安が多いでしょうから、専門的なリハビリをご希望ならデイケアが良いと思います。
ただ、病院を退院するということは、残酷なようですが医学的には機能がこれ以上は回復しないということになります。
病院を退院したら、失った機能をを取り戻すことよりも、今のままの能力で、失った生活をどう取り戻すか?に重きを置くことも大切です。
いきなり機能回復を諦めるのは難しいでしょうから、
デイケアばかりでなく、入浴や外出レクリエーションなどの生活を取り入れた機能訓練をやっているデイサービスをご利用(併用でも)することも考えてみましょう!
要介護1〜5であればデイサービスとデイケアを併用することができますが、要支援1〜2の場合、介護予防通所介護(自治体の総合事業でのデイサービス)と、介護予防デイケアを併用することはできません。
ただし、介護保険を利用せずに全額自己負担でも良いなら、利用は可能になります。

■小規模デイサービスの特徴
小規模デイサービスといってもどのくらいが小規模?と思う人がいると思いますが、おおむね定員10名まで(多く見ても19名程度まで)が小規模デイサービスといえると思います。
事業所も広いスペースは必要ではなく、古い民家を改装したり、空き店舗の跡地を活用したり、新築でデイサービス用に建築することもあります。
小規模デイサービスの特徴のひとつは、利用者とスタッフの距離の近さです。
働くスタッフにとっても利用者の状態やその変化に気づきやすく、個々の要望に合わせてしっかり向き合った介護ができます。
スタッフの人数も5〜10人程度で、介護職と主任や管理者(経営者)の距離はかなり近くなります。
そのため、利用者からの要望や、スタッフのアイデアなどを実行に移すのに何人もの役職を通す必要がなく、言葉一つでスピーディーに物事を進めることができます。
もちろんスタッフの人数が少ないので、介護職でも事務作業をしたり、管理者や生活相談員でも介護業務に入ったり、送迎や掃除など、フレキシブルな対応が求められる場合があります。
小規模デイサービスのもう一つの特徴は、一人一人の顔が見える家族のような雰囲気です。
それは、人数の少なさだけでなく、多くが普通の家のような場所で行われているからかもしれません。
スタッフも私服で仕事をしているところも多いですね。年配のスタッフがいれば誰が利用者かスタッフか分からないこともあります(笑)
そして「利用者もスタッフも言いたいことが言える」ということもあります。
いわば利用者もスタッフも「個性がむき出し(笑)」ともいいますね。
■大規模デイサービスの特徴
介護保険上は、小規模と大規模の間に「通常規模」というものがあるのですが、それは介護報酬に関係しているだけなのでここでは割愛します。
定員が20名を超えてくると大規模なデイサービスにあたると思います。大きなものになれば定員が100名近くになるところもあります。
小規模と違い、天井の高いホールのような広いデイサービスが多くあります。
大規模デイサービスの特徴の一つが人数の多さです。
スタッフも多いが利用者はもっと多い(笑)。
そのため、一人のスタッフがすべてを把握したり、フレキシブルに仕事をすることは不可能ですから、
大規模デイサービスではそれぞれの役割に専念できるように専門職が多く配置されています。
例えば、管理者・生活相談員・介護職員・看護職員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士から調理員・運転手・事務員・調理員から掃除のおばちゃんまで、規模が大きくなればなるほど、実に多種多様な専門職が配置されています。
大規模デイサービスは一日のうちで数多くの利用者を把握しなければならないので、小規模デイサービス以上に把握した情報を素早くケアに結び付けられる判断力や情報処理能力が必要となります。
もう一つ大規模デイサービスの特徴を上げるとすると、大きな法人が運営していることが多いので、福利厚生や研修などのスタッフ教育が充実していることだと思います。
もちろん小規模デイでも福利厚生やスタッフ教育はしますが、大規模施設のスケールメリットにはとてもかないません。
最後に一つ大規模デイサービスの特徴をあげるなら、小規模デイサービスと違い、利用者との距離が遠くなることです。
もちろん努力と工夫次第で改善はできると思いますが、一日に何十人もの利用者と接すると考えると物理的に1人当たり何分関われるだろうかというところです。

介護保険が始まって以降、デイサービスはその参入の容易さから増え続け、その数は介護施設のなかで最も多い約4万ヶ所以上です。
運営母体も社会福祉法人からNPO、民間企業まで様々です。
利用者の獲得競争の激しいため、最近では他のデイサービスと差別化を図るために、
独自のサービスを掲げるところも増え、さまざまな特徴を持っています。
■リハビリデイサービス
機能訓練に特化したデイサービスです。
リハビリデイの利用時間は、多くが3時間程度や半日です。
そのために、ほとんどが食事や入浴といったサービスを行っていません。
よって、仕事の中心は機能訓練の補助や利用者の送迎です。
リハビリに関心があったり、身体を動かすことが好きな方には魅力のあるデイサービスだと思います。
まだお年寄りとは言えないくらいの若い方が利用者の中心ですが、なかには「一日のデイサービスは長いから…」とリハビリデイを利用される高齢の方もいます。
フィットネスクラブのようなところもあり、インストラクターやトレーナーといった介護とは畑違いのスタッフが中心の事業所もあります。
リハビリデイは異業種からの転職も馴染みやすいといえますが、
「介護」をしたい方には向いていないかもしれません。
■認知症デイサービス
新しいコンセプトというデイサービスではありませんが、介護保険上で差別化されたデイサービスです。普通のデイサービスと何が違うのかといえば、その名の通り「認知症」の人しか利用できません。
ご家族が気兼ねをせずに認知症の人を預けられる側面はあると思いますが、
「認知症」の人しかいないので、多様性がないという側面があります。
多様性のなさのデメリットを言葉にするのはとても難しいので、逆に「多様性がある」ことで生まれる良い面について説明します。
まず一つ目に、認知症の方やそうでない方も含めて集まる場には、介護する側から見て、
良い意味での緊張感があるということです。
こちらの言動をすぐに忘れてしまう認知症の人ばかりだと仕事に緊張感は生まれませんが、認知症が無い人も同じ場にいれば、こちらの言動を皆さん覚えていますのでその心配はありません。
二つ目に、
それぞれが抱えている不自由が違うと、お互いに助け合おうとか、いたわろうとか、認めようとか思う雰囲気が生まれることです。
認知症のない人が認知症のある人に忘れたことを教えてあげたり、認知症のない人が、認知症ですぐにものを忘れてしまうけどいつもニコニコしている人を見て「あんな風になれたらいいね…」なんて言ってみたり、自分の足で歩ける人が、車いすの人をいたわったりということです。
認知症の人だけということはデメリットもあるので、上手に運営しないと
閉鎖的なデイサービスになってしまいます。
選ぶときには、ぜひ現場の雰囲気を体験してみて下さいね!
■お泊まりデイサービス
デイサービスに夜間の預かりをくっつけたサービスです。デイサービス利用時にそのまま次の日まで、あるいは数泊のショートステイとして稼働します。
夜間の預かりは介護保険ではなく自費になっています。
デイサービスの職員がシフトで夜勤をすることもあれば、夜勤専従の職員がいることもあります。
一時期、利用者の囲い込みのしやすさと利用者家族のニーズがマッチしてブームになりましたが、狭い部屋で介護もせずに雑魚寝させるなど、悪質な業者がいたことも事実なので、働くときには注意が必要です。
働く場としてデイサービスを選ぶときには、上記にあげたことを参考にしながら選んでみて下さい。
同じ種類のデイサービスでも、その雰囲気は各事業所によって天地ほどの差があります。
利用定員や、経営主体、生活を重視しているかリハビリを重視しているかなどでも違いますが、職場の雰囲気の違いに影響を及ぼす一番の要因は、デイサービスの現場責任者や管理者の価値観の違いです。
同じ事業所でも現場責任者や管理者が変われば雰囲気はガラッと変わりますので、面接でご自分の重視するポイントをしっかり質問するなどし、良い職場に出会ることを祈っています!